地中美術館は、建築物全体の大部分が地中に埋設された前代未聞の美術館だ。安藤忠雄の設計によるこの空間は、自然景観を損なわないよう地下に埋め込まれながらも、天窓から降り注ぐ自然光のみで作品を鑑賞する構造になっている。四季折々、あるいは一刻ごとに変化する光の強弱によって、作品の表情がまったく異なって見えてくる。
館内にはクロード・モネの『睡蓮』シリーズをはじめ、ジェームズ・タレルやウォルター・デ・マリアの作品が恒久設置されている。作品と部屋の寸法、壁面の素材、床のタイルに至るまで、作家と建築家が静謐な対話を重ねて創り上げた空間は、鑑賞者に深い瞑想的な時間をもたらす。