彼らの楽曲を決定づける最大の要素は、ボーカルFukaseの唯一無二の歌声と、Saori(Pf/Key)を中心とする緻密なサウンドプロダクションの融合にある。Fukaseの声質は、まるで少年のような無垢さと、全てを見透かしたような冷徹さが同居する不思議な響きを持つ。どれほど強烈なサウンドや電子音が鳴り響いていても、彼の歌声が入った瞬間に「セカオワの世界」へと引き戻される強力な磁場が存在する。
そこに加わるのが、クラシック音楽の素養を持つSaoriの手による精巧なソングライティングだ。ストリングスや木管楽器の交響的な配置から、80年代ポップスを思わせるレトロなシンセサイザーの選定に至るまで、音の配置には妥協がない。Nakajinの卓越したマルチプレイヤーとしてのサウンドメイキングとDJ LOVEがもたらすクラブカルチャーの文脈が絡み合うことで、他者には決して真似できない多重構造のサウンドが立ち上がる。