ボカロシーンの歴史を語る上で、wowaka(現実逃避P)さんの存在を抜きにすることはできません。『裏表ラバーズ』『ローリンガール』『ワールズエンド・ダンスホール』など、マシンガンのような言葉数と焦燥感に満ちたギターロックで2010年前後のニコニコ動画を席巻し、ボカロ音楽の表現限界を大きく押し広げました。
その後、ロックバンド「ヒトリエ」のフロントマン(ボーカル・ギター)としてメジャーシーンで活躍していた最中、2019年4月5日に急性心不全のため31歳の若さで急逝。全国ツアーの真っ只中に飛び込んできたあまりにも突然の悲報は、音楽シーン全体に深い悲しみをもたらしました。
盟友である米津玄師(ハチ)さんをはじめとする数多くのアーティストが追悼の意を表明。ヒトリエのメンバーであるシノダさん、イガラシさん、ゆーまおさんは深い喪失感を抱えながらもバンド活動の継続を決断し、wowakaさんが遺した楽曲をライブで熱唱し続けています。2017年に約6年ぶりのボカロ楽曲として投稿された『アンノウン・マザーグース』は、彼がボカロカルチャーと音楽への愛を注ぎ込んだ最高傑作として、現在も国内外のリスナーに歌い継がれています。