Daily Mailが世界的なバズを生み出す最大の原動力となっているのが、デイリーメールのイギリス王室報道です。バッキンガム宮殿の内部関係者とされる「関係者筋(Palace insiders)」からの独自証言や、王室メンバーのプライベート写真の掲載において、同紙は他を圧倒するネットワークを持っています。
その取材姿勢が激しい火花を散らした代表例が、ヘンリー王子とメーガン妃をめぐる一連の騒動です。同紙はデイリーメールのメーガン妃スクープとして、父親宛ての手記の公開や王室離脱の舞台裏を次々と独占報道しました。これに対しメーガン妃側はプライバシー侵害や著作権法違反で提訴し、イギリスの高等法院で同紙発行元の敗訴が確定するなど、法廷闘争へと発展しました。
こうしたDaily Mail UKの芸能ゴシップの真相を紐解くと、以下の二面性が浮かび上がります。
一方で、パパラッチへの高額報酬や執拗な追跡によって得られたスクープ写真は、時に決定的なスクープとなる事実を含んでいます。しかし他方で、王室の伝統を守ろうとする保守的な読者層の意向を反映し、特定の人物に対するバッシングに近い論陣を張る傾向も否定できません。王室報道を読む際は、記者の主観やストーリー作りのバイアスが強く介在している前提を念頭に置く必要があります。