調査兵団として故郷に駆けつけたコニーを待ち受けていたのは、変わり果てた我が家と、屋根を突き破るように仰向けで倒れていた母の姿でした。手足が極端に細く筋力が足りない奇形だったため立ち上がることができず、その場で固定された状態となっていました。
立ち去ろうとするコニーに対し、巨人と化した母はかすれ声で「オ…ア…イ…(おかえり)」と言葉を発します。通常、無垢の巨人は知性や生前の記憶を一切失いますが、我が子の姿を認識した瞬間に、母性という強烈な情動が一時的に巨人の本能を凌駕した瞬間でした。
この一言は、読者に凄まじい恐怖と哀愁を与えただけでなく、調査兵団のハンジ・ゾエらが「巨人の正体は人間そのものではないか」という仮説を決定づける極めて重大な伏線となりました。