投球の軸となるのは、うなりを上げる150キロ超のストレートだ。高めに伸びる速球は打者のスイングを空を切らせ、ベース上の球威は数値以上の体感速度を生み出している。だが、彼の覚醒を決定づけたのは直球の威力だけではない。今季特に目を引くのが、鋭い変化を見せるフォークとスライダーの精度向上だ。
オフの期間に徹底して取り組んだ握りとリリースポイントの微調整が結実した。カウントを取るスライダーと、勝負所で打者の手元で落とすフォークの高低差。この緩急と奥行きを使った組み立てが、相手打線に絞り込みを許さない。球種ごとの再現性が高まったことで、ピンチの場面でも冷静に三振を奪うマインドの余裕が生まれている。