インドと認知症の関係が国際的に脚光を浴びるきっかけとなったのが、米ピッツバーグ大学とインドの全インド医科大学(AIIMS)などが共同で実施した大規模な追跡調査です。インド北部バラルガル(Ballabgarh)の農村部に住む70歳から79歳の高齢者集団を対象に行われた調査において、アルツハイマー病の年間発症率は約0.47%(1000人あたり4.7人)という極めて低い水準を示しました。
この数値は、米ペンシルベニア州の同年代コミュニティにおける発症率と比較しておよそ4分の1に相当します。世界保健機関(WHO)や各国の医療統計を見渡しても、インドは認知症になりにくい国としての確固たる疫学的ポジションを確立しました。特定の遺伝的要因だけでなく、日常の環境因子、とりわけ日々の食事が脳の神経細胞を保護している可能性が強く示唆された歴史的なデータです。