では、日本は明日から欧米のような純粋な「ジョブ型社会」へ移行できるのだろうか。答えは否である。職務が消滅すれば即座に解雇されるという「本物のジョブ型」を導入するには、労働市場における労働力の流動性と、十分な社会保障のセーフティネットが不可欠だからだ。
解雇規制を維持したまま上辺だけジョブ型を導入しようとすれば、単なる賃金カットの手段として悪用される危険性すらある。私たちが目指すべき現実解は、従来のメンバーシップ型が持つ雇用安定の利点を生かしつつ、職務や勤務地を明確にする「限定正社員」などの柔軟な中間モデルの確立だ。激変する時代のなかで、企業と個人が対等な関係を結び直すことができるか。2026年、日本の働き方は決定的な岐路に立たされている。 (出典: 濱口 克己(Yahoo!ニュース))