私たちが幼い頃から親しんでいる名作絵本や老舗ブランドのうさぎには、作者の個人的な想いや、知ると作品の見え方が一変する濃厚なバックストーリーが存在します。
ミッフィーの「本名」とトレードマークの×印に隠された由来
世界中で「ミッフィー(Miffy)」として親しまれている白い小さなうさぎですが、母国オランダでのミッフィー 本名 由来を辿ると、本来の名前はナインチェ・プラウス(Nijntje Pluis)であることがわかります。「ナインチェ」とはオランダ語で「小さなうさぎ(konijntje)」の幼児語であり、「プラウス」は「ふわふわした綿毛」を意味する言葉です。作者のディック・ブルーナ氏が1955年の海辺の休暇中、幼い息子のために語り聞かせたお話がすべての始まりでした。
日本国内で長年親しまれている「うさこちゃん」という名前は、児童文学者の石井桃子氏が福音館書店から翻訳版を刊行する際に名付けた歴史ある和名です。また、特徴的な口元の「×(バツ印)」は単なるデザイン記号ではなく、上側のVが鼻、下側の逆Vが口を表した「鼻と口のスケッチ」であることがブルーナ氏の生前の証言や原画資料で明示されています。無駄を極限まで削ぎ落としたシンプルな線だからこそ、読者が自らの感情を投影できる余白が生まれているのです。
ピーターラビットの過酷な経歴と父親をめぐるブラックな現実
英国の絵本作家ビアトリクス・ポターが1893年に病床の知人の息子へ送った一通の絵手紙から始まったピーターラビット 経歴には、牧歌的な水彩画のタッチからは想像もつかない現実的な生態系の厳しさが刻まれています。物語の冒頭で母親のラビット夫人は、ピーターたち兄妹に対し「マグレガーさんの畑にだけは行っては行けませんよ」と固く戒めます。
その理由として告げられるのが、「お父さんはあそこで事故に遭い、マグレガーの奥さんにパイにされてしまったのです」というあまりに生々しい事実です。ポターは熱心な自然観察者であり菌類研究者でもあったため、童話であっても自然界の捕食関係や人間との生存競争をごまかさずに描きました。このシリアスな危機感とスリルが、物語に色あせないリアリティを与えています。
マイメロディとクロミの複雑怪奇な関係性と「クロミノート」
サンリオを代表する2大ライバルであるマイメロディ クロミ 設定の深さは、アニメ『おねがいマイメロディ』(2005年放送開始)を通じて広く知れ渡ることとなりました。自称・マイメロのライバルであるクロミが肌身離さず持ち歩く「クロミノート」には、過去にマイメロディから受けた数千件に及ぶ「無自覚な被害」が詳細に記されています。
転んだクロミにマイメロディが差し出したハンカチで鼻をかんでしまったり、クロミが大切にしていたノートのページを無邪気に破いてしまったりと、マイメロディ側に一切の悪意がない「天真爛漫な天然行動」ゆえに、クロミの怒りは報われません。この「悪意なき純真さ(マイメロ)」対「情に厚く不器用な努力家(クロミ)」という人間味あふれる心理ドラマが、大人のアニメファンやSNS世代の間で今なお語り草となっています。