彼女の足跡を振り返ると、その演技力の進化過程には目を見張るものがある。映画『デスノート』の弥海砂役で一躍脚光を浴びた十代の頃から、彼女はすでに並外れた透明感と狂気を同居させる稀有な素質を見せていた。アイドル的な人気にとどまらず、即座に本格派への階段を駆け上がっていったのは必然だったと言える。
その到達点の一つとなったのが、映画『母性』での圧巻の熱演だ。娘を愛せない母親という難役に真っ向から挑み、人間の業や痛みを内面から滲み出るような哀愁とともに描き切った。かつての可憐な少女像を完全に脱ぎ捨て、日本の映画界を背負う大人の表現者として覚醒した瞬間であった。