しかし、一般的な利用者が抱く最大の抵抗感は、依然として「乗り物酔い」への懸念だろう。視覚情報と内耳の前庭感覚がずれることで生じる動揺病は、後ろ向きの着座でより悪化しやすいとされてきた。
この課題に対し、最新のモビリティデザインはハードウェアと光学技術の両面から解を提示している。側面の大型有機ELウィンドウに外の景色の流れる方向を自然に補正する拡張現実(AR)ガイドラインを表示したり、座席自体に微妙なアクティブ振幅制御を組み込んだりすることで、脳の混乱を防ぐシステムが標準化されつつある。実際に試乗したユーザーからは「進行方向を意識させない安定した乗り心地で、酔いの感覚は拍子抜けするほどない」との驚きの声が相次ぐ。