中古車市場で価格が急落する要因となる「修復歴あり(いわゆる事故車)」は、車体のどの部位を損傷・修理したかで厳密に定義されています。一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)の基準によると、外装パネルの交換だけでは修復歴にはならず、自動車骨格フレーム名称に該当する重要部位の損傷・修正・交換があって初めて修復歴車と判定されます。
ルーフ(屋根)を支える柱は、フロントガラス側から順にAピラー、Bピラー、Cピラー(ミニバンやステーションワゴンでは最後部のDピラーまで存在)と命名されています。これらのピラー類はキャビン(客室)の生存空間を確保する高張力鋼板で構成されており、わずかな歪みや溶接修理であっても骨格修復とみなされます。
また、前述したドア下のサイドシルロッカーパネルのインナー(内側骨格)や、車体前後で衝撃を受け止めるクロスメンバー、サスペンションの支持基盤であるストラットタワー(フロントインサイドパネル)も骨格部位です。外見上は小さな擦り傷に見えても、縁石へ強く乗り上げてサイドシル内部のフレームが変形している場合、査定時には修復歴車扱いとなり、車両価値が30%〜50%以上下落する深刻な事態を招きます。