出雲大社を訪れた参拝者を魅了してやまないのが、境内各所に点在するブロンズ製のウサギ像です。平成の「大遷宮」以降、崇敬者からの奉納によって年々数を増やし、現在では境内全体で66体以上が設置されています。
ウサギ像はすべて同じ姿をしているわけではなく、一体一体に異なる表情やポーズが与えられています。効率よく巡るための主要配置エリアは以下の通りです。
- 御慈愛の御神像(参道沿い):大国主大神が傷ついた因幡の白兎を優しく見つめ、いたわる神話の名場面を等身大で再現した象徴的な巨像。
- 御本殿裏(北側):最も多くの参拝者が足を止める聖域。御本殿に向かって両手を合わせ、熱心に祈りを捧げる2体のウサギ像が鎮座しています。真摯な祈りの姿が美しいと評判です。
- 祓社(はらえのやしろ)周辺・松の参道脇:木立の根元や草陰に隠れるように配置され、参拝者をそっと出迎える佇まいを見せています。
- 神楽殿(かぐらでん)周辺:酒樽を抱える兎や、楽器を手にする兎など、祝祭の賑わいを感じさせるユーモラスな像が並びます。
- 東十九社・西十九社周辺:神在月に全国の神々が宿泊する社殿の脇にも、静かに手を合わせる兎たちが配置されています。
これらのウサギ像を巡る行為は、単なるフォトスポット巡りにとどまりません。境内の清浄な空気を吸いながら歩き、神話の世界観を五感で追体験するプロセスそのものが、参拝者の心を落ち着かせ、祈願への集中力を高める効果をもたらします。