当時の大騒動を鮮明に記憶しているファンも多いはずだ。2000年代後半、イギリス全土を駆け巡った超大型オーディション。ラベンダー・ブラウン役の選考には、実に7000人を超える若手女優たちが殺到した。その熾烈な競争を勝ち抜いたのが、ほかでもないジェシー・ケイヴだった。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の制作陣が求めていたのは、どこか憎めず、それでいて強烈な自己主張を持つ情熱的なキャラクターだ。彼女が見せたエネルギッシュな演技アプローチは、審査員の心を一瞬で掴んだ。ハリウッドの巨大な資本が動く現場に突如として放り込まれた当時の心境について、彼女は後に「夢の中にいるような感覚と、強烈な現実味が交互に押し寄せていた」と述懐している。