単なる怪談や都市伝説にとどまらず、本作が高度な心理サスペンスとして評価されている理由は、巧みな心理描写にある。人間は耐えがたい現実や罪悪感に直面したとき、それを「見なかったこと」にして脳内で処理しようとする。この人間の防衛本能と自己保身の醜さを、劇中の登場人物たちは容赦なく暴露されていく。
音響設計においても、人間の心拍数や脳波に影響を与える特殊な超低周波音が仕込まれているとの噂が絶えない。視覚情報だけでなく、聴覚や感覚器官全体を揺さぶるアプローチによって、鑑賞後は映画館を出た後も日常の風景が違って見えるという心理的後遺症すら報告されている。人間心理の最も暗い部分を抉り出す演出は、観る者の正気を静かに試しているのだ。