インターネットの普及以降、DHMOはネット空間における「知的な悪ふざけ」「風刺ネタ」としての地位を確立しました。一酸化二水素のネットの反応を追うと、毎年4月1日のエイプリルフールや、SNS上で科学リテラシーに関する論争が起きるたびにトレンド入りを果たしています。
「近所のスーパーで売られている野菜から大量の一酸化二水素が検出されたらしい」「学校のプールに一酸化二水素が満たされている」といったパロディ投稿が投下され、文脈を知らないユーザーが「そんな危険なものを放置するな!」と憤慨し、事情を知るユーザーから種明かしをされて赤面する――というお約束の流れが現在も繰り返されています。
一度仕組みを知ってしまえば思わず笑ってしまう一酸化二水素ネタですが、初見で騙されてしまう人が後を絶たないのは、人間が「難解なカタカナ用語」と「感情を揺さぶるネガティブな脅威」を前にしたとき、冷静な論理的思考を停止させてしまう心理傾向があるからです。