事件後、春日は群馬の町を追われるように家族とともに埼玉の大宮へ転居し、高校生編が始まります。抜け殻のようになっていた春日を救ったのは、同じく本を愛し、心に孤独を抱えていた女子高生・常磐文(ときわ あや)との出会いでした。
常磐との交流を通じて人間らしい感情を取り戻した春日は、過去と決着をつけるため、消息不明となっていた仲村を探し出します。海辺の町で祖母や母とともに静かに喫茶店で働く仲村と数年ぶりに再会した春日は、彼女と取っ組み合いの喧嘩を演じ、互いの胸の内をすべて吐き出します。
かつて山に囲まれた町で「特別な存在」として絶望を共有した二人は、再会を経てお互いが「ただの普通の人間」であったことを受け入れます。別れ際、仲村が見せた微かな笑みは、過去の呪縛からの完全な解放を意味していました。最終話では、第1話の春日と佐伯の体操着事件が、実は「仲村佐和の視点」からはどう見えていたのかが描かれます。世界のすべてを拒絶していた仲村にとって、春日こそが唯一の希望の光だったという真相が明かされ、物語は深い余韻とともに幕を閉じます。