国枝調教師の経歴を語る上で欠かせないのが、日本競馬史に燦然と輝く2頭の牝馬三冠馬の存在です。
2010年に厩舎を歓喜の渦に巻き込んだアパパネは、阪神ジュベナイルフィリーズから桜花賞、優駿牝馬(オークス)、秋華賞を制覇。オークスでのサンテミリオンとの同着優勝は、今なおファンの語り草となっています。さらに古馬になってからもヴィクトリアマイルやエリザベス女王杯を制し、牝馬路線の絶対女王として君臨しました。
そして2018年、競馬界の常識を塗り替えたのがアーモンドアイでした。圧倒的なスピードと類いまれな瞬発力で牝馬三冠を完全制覇すると、同年のジャパンカップでは世界レコードを樹立。その後も天皇賞(秋)連覇やドバイターフ制覇などを成し遂げ、日本調教馬として史上初となる芝G1通算9勝の金字塔を打ち立てました。
国枝厩舎の真骨頂は「馬の邪魔をせず、自然体で走らせる」という柔軟なアプローチにあります。牝馬特有の繊細なメンタルを巧みにケアし、大舞台に合わせて完璧なコンディションを作り上げる手腕は、世界中のホースマンから高く評価されました。