神話級の威力を誇る邪王炎殺黒龍波ですが、その恩恵を享受するためには極めて重いリスクを支払わなければなりません。邪王炎殺黒龍波のデメリットは、単に右腕が負傷する危険性だけに留まらない構造的な代償を含んでいます。
最大のリスクは、技の使用後に訪れる「極度のエネルギー枯渇」と、それに伴う不可避の「睡眠時間」です。魔界の凶暴な黒龍を召喚・制御し、さらにそれを肉体に定着させる行為は、術者の精神力と妖力を限界まで消耗させます。技の効力が切れた後、飛影は約6時間に及ぶ完全な冬眠状態(熟睡)に陥り、周囲で何が起ころうとも一切の自己防衛ができない無防備な状態となります。
暗黒武術会決勝の直後、蔵馬や桑原、幽助が激闘を繰り広げる最中、飛影がリングサイドで深い眠りに落ちていた描写は読者に強烈な印象を残しました。強大すぎる力を行使した反動として完全な行動不能に陥るこの設定は、戦況全体を俯瞰したときに「いつ、どのタイミングで切るべきか」という高度な戦術的駆け引きを生み出す要因となりました。