野間口徹は1973年、福岡県北九州市に生まれた。幼少期は決して目立つタイプではなく、教室の隅で静かに過ごすようなおとなしい少年だったという。当時の将来の夢は役者ではなく、ごく普通の「学校の先生」。両親も教職に就いていた環境もあり、自らも当たり前のように教育の道に進むものと考えていた。
北九州という独特のカルチャーと人情が交錯する街で育ちながらも、スポットライトを浴びる世界とは無縁の生活を送っていた。この「ごく一般的な感覚」を肌で知っていたことこそが、後に彼が演じるサラリーマンや公務員、あるいは一癖ある小市民役に生きたリアリズムの源流となっている。