日常会話やメディアで頻繁に使われる「爆弾低気圧」という言葉ですが、正式な学術用語としては「急速に発達する温帯低気圧」を指します。気象庁の予報用語において「爆弾低気圧」は俗称と位置づけられており、公式発表では「急速に発達する低気圧」という表現が厳格に用いられます。
国際的な気象学会の基準では、中心緯度φにおける24時間の中心気圧低下量が「24×(sinφ / sin60°) hPa」以上となる低気圧と定義されています。日本付近(北緯35度〜40度前後)に換算すると、おおむね24時間で18hPa〜20hPa以上の気圧低下を記録した場合がこれに該当します。
この爆弾低気圧の原因となる急速発達メカニズムの鍵を握るのが、「上空の強烈な寒気」と「地表付近の温暖湿潤な空気」の極端な温度差です。特に冬季から春先にかけて、シベリア方面から南下する氷点下30度以下の寒冷渦と、黒潮の影響を受けた暖かく湿った大気が日本列島上空で衝突。激しい上昇気流が生じ、温帯低気圧の急発達が一気に加速します。