「しばらく乗っていなかっただけなのに、タイヤがペチャンコになっていた」という経験を持つ方は多いはずです。パンクを疑う前に知っておきたいのが、自転車の空気が減る理由には構造上の物理現象が深く関わっているという点です。
自転車のチューブに使われているブチルゴムやラテックスゴムは、一見すると密閉されているように見えますが、分子レベルでは極めて微細な隙間が存在します。チューブ内の気圧は外気圧よりも圧倒的に高いため、空気中の気体分子がゴムの組織を通り抜けて外へ逃げていく「自然透過」が常に起きています。
さらに、気温の変化も空気圧を大きく左右します。気体は温度が上がると膨張し、下がると収縮する性質があるため、冬場の冷え込みや季節の変わり目には急激に空気圧が低下します。「乗っていないから減らない」のではなく、「置いているだけでも確実に減っていく」のがタイヤの基本特性です。