瀬戸大也選手の父親である瀬戸幹也(せと・みきや)さんは、かつて雪上でしのぎを削った本格派のアスリートでした。学生時代からアルペンスキー競技に打ち込み、国体(国民体育大会)への出場経験や、全日本の強化指定選手に選ばれるほどの実力者として知られていました。
アルペンスキーは、急斜面を時速数十キロで滑り降りながらミリ単位のターンコントロールを要求される過酷な競技です。そこで培われた体幹の強さ、バランス感覚、極限状態での判断力は、競技こそ違えど息子の競泳人生に大きな影響を与えました。大也選手が持つ「水中の重心移動の巧さ」や「ブレない軸」には、元スキー選手の父から受け継いだ天性の運動センスが色濃く反映されています。
幹也氏は現役引退後もスポーツに対する深い情熱を持ち続け、息子が誕生した際にはそのエネルギーを惜しみなく注ぎ込みました。ただし、自分が歩んだスキーの道を無理強いすることは一切なく、息子自身が夢中になれるスポーツを見つける環境づくりに徹した点が、その後の大躍進の原点となっています。