多くのユーザーが抱く「スマホを冷やすケースを装着するだけで本当に温度が下がるのか」という疑問。結論から言えば、放熱設計が施された専用ケースには確実な熱対策効果が存在します。ただし、そのアプローチはケースの構造によって大きく異なります。
そもそもスマートフォンは、PCのような空冷ファンを内蔵できないため、内部のSoC(システム・オン・チップ)から発生した熱を背面パネルやフレーム全体に伝えて大気中へ逃がす「自然放熱」に依存しています。ところが、一般的なTPU(熱可塑性ポリウレタン)やシリコン、分厚い手帳型ケースは熱伝導率が極めて低く、いわば「端末にダウンジャケットを着せている」のと同じ状態を作り出してしまうのです。
放熱に特化したケースは、熱伝導率に優れた新素材を採用したり、通気口(ベントホール)を設けたりすることで、背面パネルからの熱逃げを阻害しない工夫が凝らされています。通常の保護ケースと比較した場合、本体表面温度の上昇を約3℃〜5℃程度抑制できる検証データもあり、サーマルスロットリングの発生を遅らせる上で大きなアドバンテージを発揮します。