神話入りを果たした楽曲群を俯瞰すると、全体の過半数以上で初音ミクがメインボーカルを務めています。重音テトやGUMI、鏡音リン・レン、flowerといった個性豊かな音声合成ソフトウェアが活躍するなかにあっても、初音ミクの存在感は突出しています。
その背景には、初音ミクが単なるソフトウェアを超え、「インターネット集合知のアイコン」として確立されている点があります。一度メガヒットとなった楽曲は、歌ってみた、踊ってみた、手描きアニメ、プロセカ(プロジェクトセカイ)などの音楽ゲームへと多層的に二次創作され、新規リスナーを絶え間なく原曲動画へ呼び戻す永久機関を形成します。この循環構造こそが、10年以上の歳月を経てなお神話入り楽曲を生み出し続ける最大の原動力です。