この惨劇を起こした犯人として逮捕されたのが、住民の保見光成受刑者である。かつて都会で職人として働き、Uターンで故郷へ戻ってきた彼は、集落の活性化を試みるも周囲との摩擦を強めていった。自宅の窓に貼り出された「つけびして…」の川柳は、彼自身が周囲の冷たい視線や噂話に対する怨嗟の声を表現したものだったのか、それとも暗い警告だったのか。
山口連続殺人放火事件の公判において、彼の精神状態や犯行に至る動機が厳密に検証された。弁護側は妄想性障害などの影響を主張したが、一審・二審ともにその刑事責任能力を認め、死刑判決が言い渡されている。集落内で自らが嫌がらせを受けているという強い被害妄想と、実際に存在した苛烈なコミュニティの軋轢。二つの要素が狂気の渦の中で混ざり合い、彼の執念を血塗られた凶行へと駆り立てたのだった。