この事件がこれほどまでに人々の記憶に刻まれたのは、インターネットの存在が大きい。当時はまだテキスト掲示板や動画共有サイトが普及し始めたばかりの時代。ユーザーたちは彼女の言動を面白おかしくコラージュし、キャラクター化していった。それはある種の「毒抜き」でもあったが、同時に当事者の人権やプライバシーを完全に無視した残酷なエンターテインメントでもあった。
現代のネット文化における「炎上動画のミーム化」のテンプレートは、すでにこの時点で完成していたと言える。誰かの苦痛や狂気が、クリック数と再生回数を稼ぐためのコンテンツに変換される。そのシステムは、20年経った今も全く変わっていないどころか、より洗練され、アルゴリズムによって自動化されている。