日本映画界において「松田」の名が持つ意味は余りにも重い。1980年代に一世を風靡した偉大な名優の影を背負いながら、二人が歩んできた道のりは、それぞれが独自の美学に貫かれている。
松田龍平は、大島渚監督の映画『御法度』で鮮烈なデビューを果たした。当時、10代半ばにして見せた妖艶で浮世離れした存在感は、批評家たちを唸らせ、またたく間に演技派としての地位を確立。その後も映画『舟を編む』など数々の名作で主演を務め、日本の映画賞を総なめにしてきた。言葉数が少なくても雄弁に語るその眼光は、まさに父親から譲り受けた天性の資質といえる。
一方、弟の松田翔太は、洗練されたビジュアルと個性が際立つ作品でその才能を開花させた。ドラマ『LIAR GAME』で見せたクールで知性あふれる天才詐欺師役や、独特のセンスが漂うCM作品など、時代のアイコンとしての存在感を確立。芸能界という多面的なステージで、常に唯一無二の立ち位置をキープし続けている。