乗船したゲストに用意されているのは、豪華なデッキチェアーでくつろぐだけの時間ではない。ゲスト自身が海洋データ収集の一翼を担う市民科学者(シチズン・サイエンティスト)としてプロジェクトに参加できる点こそ、この船の真骨頂だ。甲板に設置された高解像度水中カメラとAI解析モニターを通じて、海底のサンゴの成長度合いや幼生の定着状況をリアルタイムでモニタリングする。
さらに、シュノーケリングやダイビングツアーと連動し、ゲストの手でサンゴの幼生プレートを適切な着生ポイントへ設置するワークショップも連日開催されている。「自分たちが遊んだ海を、自分たちの手で再生する」。この切実で感動的な体験は、SNSを通じてまたたく間に拡散し、若い世代を中心に予約が数か月先まで埋まるほどの熱狂を生み出している。