長年愛されたブランドが姿を消すと、そこには往々にして都市伝説的な風聞や事実誤認が生じがちです。ここで一度、ネット上に散見される代表的な誤解を検証し、事実を整理しておきましょう。
誤解①:「どこかの大手外食チェーンに買収され、メニューがそのまま引き継がれた」
真相:一部のネット掲示板で「某有名ファミレスチェーンに買収されたため、あのパスタは今も別の名前で食べられる」といった噂が流布していますが、これは明白な誤りです。ブランドを保有していた運営母体が外食事業の整理を進める中でブランド自体の運用を停止したものであり、レシピや商標が大手外食チェーンへ譲渡されて同一メニューが販売されているという事実はありません。
誤解②:「あのドレッシングは市販の既存品をそのまま使っていただけ」
真相:あまりの美味しさから「業務用として市販されていたどこかのメーカーのドレッシングをそのままボトルに入れていたのでは」と疑う声もありました。しかし、元厨房関係者の証言や当時の取材記事によると、セントラルキッチンおよび各店舗での仕込みによって独自調合されていた完全なオリジナルレシピでした。すりおろしたての生野菜をふんだんに使用していたため日持ちが難しく、当時は長期保存が必要な市販商品化が容易ではなかったという背景もあります。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
「ミラノのおかず屋さん」の味を今から追い求めようとしている方に向けて、再現レシピ作りに挑戦すべきか、類似店を探すべきかの判断基準を提示します。
【自作再現レシピへの挑戦をおすすめできる人】
・「野菜のすりおろし感」のある濃厚な和風ドレッシングを自分好みの味付けで楽しみたい人
・市販のドレッシングの人工的な甘みや添加物の後味が苦手な人
・家族や友人に、大量の生野菜をモリモリ食べてもらいたい人
(※自宅でブレンダーやすりおろし器を使って作る再現ドレッシングは、極めて高い満足度が得られます)
【「完全な本物の味」を店舗に期待しすぎるのは慎重になるべき人】
・「当時の味そのもの覚悟」で復活系・オマージュ系を謳う店舗へ遠征しようとしている人
・思い出が美化されすぎており、少しの味のブレも許容できない人
(※人間の記憶にある「思い出の味」は、当時の若さ、店の喧騒、一緒に食べた友人との空気感などと密接に結びついています。現在の他店に100%同じものを求めて訪問すると、ギャップを感じるリスクがあります)