2001年5月、徳永英明を襲ったのは、国の指定難病である「もやもや病(ウィリス動脈環閉塞症)」でした。脳の血管が狭くなり、十分な血液が送られなくなる原因不明の疾患です。激しい頭痛やめまいに襲われ、最悪の場合は脳血管障害を引き起こす命に関わる病でした。
全国ツアーの休止と無期限の活動停止。歌手としての将来どころか、生存すら危ぶまれる極限状態の中で、高野ゆみは取り乱すことなく家を守り抜きました。
彼女が徹底したのは、日常の厳格な健康管理と、夫に対する精神的ケアです。食事の減塩や栄養バランスの徹底的な見直しはもちろんのこと、病状に対する不安で精神的に追い詰められがちだった徳永を、温かく、かつ力強く励まし続けました。
「どんな時も家の中が変わらない温かさで満たされていたからこそ、絶望の暗闇から這い上がることができた」
後に徳永本人が周囲に漏らした言葉は、妻である高野ゆみの存在がどれほど大きな救いとなっていたかを静かに物語っています。