1932年。世界恐慌の余波が日本を襲い、満州事変が勃発した激動の年に、かしはるは産声を上げた。焼津の地で和菓子作りを始めた創業者は、厳しい時代の中でも変わらぬ品質を追求し続けた。
戦前、戦中、戦後。日本が大きく変わる中、かしはるは地域に根ざした和菓子店として成長を続けた。餅菓子、最中、羊羹。季節ごとの和菓子が地元の人々の暮らしに寄り添ってきた。90年以上続く店には、それだけの理由がある。
かき氷の提供を始めたのは、創業から数十年後のことだ。和菓子職人が持つ繊細な味覚と素材選びの目利き力。それをかき氷に応用したらどうなるか。その挑戦が、今日の「かしはる かき氷」の原点となった。
田尻本店という立地の意味
焼津市田尻。田尻駅から徒歩圏内というアクセスの良さは、地元客だけでなく遠方からの訪問者にも便利だ。タクシーでも容易に到着できる距離にある。
しかし立地の価値は、アクセスだけではない。田尻は焼津の中でも落ち着いた住宅地域。慌ただしい観光地ではなく、地域に溶け込んだ場所で味わうかき氷には、特別な味わいがある。