デジタル機器に囲まれ、常時接続の疲労感に苛まれる現代人にとって、樹木が与える心理的インパクトは想像以上に大きい。
都内の心療内科クリニックでは、治療プログラムの一環として「都市林浴(としりんよく)」を取り入れる動きが出てきた。高層ビルの屋上に設けられた本格的な樹林帯を散策し、五感を刺激することで、自律神経のバランスを整えるアプローチだ。
参加者の一人は「画面のブルーライトばかり見ていた目と脳が、風でそよぐ葉の重なりを見た瞬間に解放される感覚がある」と吐露する。都市の樹木は、単なる環境保全の道具ではなく、人々の精神的安寧を守るためのセーフティネットとしての役割をも担い始めている。