当時の映像ソフト業界において、ビデオテープは1本あたり1万円前後で販売される高価な「レンタル前提の業務用商品」だった。そこに突如として現れたのが、日本ビデオ販売を率いる安西俊夫である。彼は既存の流通ルートを迂回し、メーカーからの直仕入れや独自の大量生産ラインを構築。圧倒的な低価格で消費者に「買い切り」を迫るディスカウントモデルを成立させた。
ロードサイドを中心に全国数百店舗へ急拡大した店舗網は、まさに平成の裏路地に誕生した巨大ビジネス帝国だった。棚一面に並べられた低価格パッケージと独自の会員制度は、消費者の購買意欲を過激に刺激し、アダルトビデオ業界における流通の覇権を瞬く間に掌握したのだった。