かつて全国の郊外や駅前で誰もが目にした「ジャスコ」と「サティ」の2大看板が完全に姿を消したのは、2011年3月1日のことでした。この日、イオンリテールが運営する「ジャスコ」約280店舗と、子会社マイカルが運営していた「サティ」約90店舗の屋号が一斉に「イオン」へと改名されました。
地域密着で高い知名度を誇っていた両ブランドを廃止した決定的な理由は、ブランドの分散による経営の非効率を解消し、スケールメリットを最大化するためです。当時、同じイオングループ内にありながら、ジャスコとサティは仕入れや販促、システムが別々に運用されており、近接するエリアで顧客の奪い合い(カニバリゼーション)が発生することもありました。
2000年代後半から進んだプライベートブランド「トップバリュ」の全国展開や、広告宣伝費の一本化を進める上で、店舗ブランドを統一することは不可欠な経営判断でした。こうして、長年親しまれた2つの巨大ブランドは惜しまれつつも幕を閉じ、新生「イオン」として再出発を切りました。