津川雅彦さん(本名:加藤雅彦)は、1940年1月2日、京都府京都市に生まれました。その血筋はまさに日本映画の原点そのものです。母方の祖父は「日本映画の父」と称される牧野省三、父は歌舞伎出身の俳優・沢村国太郎、母は女優のマキノ智子、そして実兄は名優の長門裕之さんという、名門「マキノ一族」のサラブレッドとして生を受けました。
幼少期から子役として映画に出演していた津川さんは、1956年の映画『狂った果実』で本格的に銀幕デビューを飾ります。主演の石原裕次郎さんの弟役をオーディションで勝ち取り、芸名「津川雅彦」として一躍脚光を浴びました。若い頃の津川さんは、端正な顔立ちと洗練された都会的な雰囲気で日活の黄金期を支えるトップスターとなります。
しかし、単なる二枚目俳優にとどまることを良しとせず、松竹やフリーへの転身を経て、悪役や屈折した心理描写を要する難役に次々と挑戦。年齢を重ねるごとに演技の幅を広げ、日本を代表する本格派俳優としての確固たる地位を築き上げました。