新型コロナ特措法における法律上の位置づけを見ると、両措置は明確にフェーズが分かれています。2026年の特措法改正によって新設された「まん延防止等重点措置」は、緊急事態宣言を発令する前段階において、感染拡大の火種を局所的に消し止めるための制度です。
発令要件における最大の差異は、病床使用率や感染者増加率などを総合評価する「ステージ判断」にあります。重点措置は感染急増段階であるステージIII相当を目安に発動が検討されるのに対し、緊急事態宣言は医療提供体制が危機的状況に陥るステージIV相当(感染爆発段階)に達した場合に適用されます。
また、指定対象の自由度も異なります。緊急事態宣言が発出されると、原則として該当都道府県の全域が一律で規制対象となります。一方、まん延防止等重点措置では、知事の裁量によって県庁所在地や歓楽街を抱える特定の市区町村のみをピンポイントで指定可能です。これにより、感染拡大地域と安定している地方地域で経済活動の強弱をつける運用が制度化されました。