北欧デザインの黄金期を支えた巨匠たちの名前に、改めてスポットが当たっている。ハンス・J・ウェグナー、フィン・ユール、ボーエ・モーエンセン、アルヴァ・アアルト。彼らが残したプロダクトは、もはや家具の枠組みを超え、美術品やオルタナティブ投資の対象としても世界中で熱視線を浴びている。
職人の手仕事と工業デザインが見事に融合した当時の作品は、構造的にも極めて堅牢だ。接合部に使われる伝統的な木組みの技術や、人間工学に基づいた背もたれの緩やかな曲線。当時のデンマーク家具職人組合が誇った妥協なきクオリティは、半世紀以上が経過した現在でもビクともしない実用性を保っている。名作と呼ばれる椅子に腰掛けた瞬間、背中を支える角度の絶妙さに息をのむ者も少なくない。