トーマス・ミュラーが獲得したトロフィーの総数は33個以上に達し、トニ・クロースらと並びドイツ人サッカー選手としての歴代最多タイトル獲得記録を保持しています。ブンデスリーガ優勝12回、DFBポカール制覇6回、チャンピオンズリーグ優勝2回、クラブW杯優勝2回、そしてワールドカップ優勝と、獲得可能な主要タイトルをすべて制覇してきました。
なぜフィジカルやスピードで圧倒するタイプではない彼が、これほどまでに勝ち続けられるのか。その理由は、彼自身が名付けた「ラウムドイター(Raumdeuter=空間の解釈者)」という唯一無二のプレースタイルにあります。
ミュラーの武器は、相手守備陣のポジショニングのズレやスペースを一瞬で見極める「サッカーIQ」の高さです。相手DFが嫌がる絶妙なタイミングで危険なエリアへ侵入し、味方がパスを出しやすいスペースを創出します。無駄なボールタッチを極力減らし、シンプルかつ的確にプレーを完結させる戦術眼があるからこそ、加齢による身体能力の変化に左右されず、30代後半を迎えてもトップレベルで結果を出し続けられるのです。