警視庁備え付けの記録や当時の警察幹部であった佐々淳行の回想録によれば、重装備で包囲を続ける警視庁機動隊の苦難は想像を絶するものだった。山荘に立てこもる連合赤軍との対峙は長期化し、現場の士気を維持するための最大の課題は「いかに温かい食料を確保するか」にかかっていたという。
凍った弁当に代わって配給されたカップ麺は、現場の警察官たちに身体の芯からの熱と活力を与えた。お湯を注ぐだけで召し上がれるというシンプルな機能が、生死を賭けた最前線で真価を発揮したのだ。過酷な事件現場での実用性が証明されたことで、危険と隣り合わせで働く人々を支える防犯・防災食としての信頼も、このとき同時に確立されることとなった。