Googleマップ上で閲覧者が最も恐怖や疑念を抱く要素の一つが、画面の一部が完全にぼかされている、あるいは黒塗りにされている「不可視区域」の存在です。
こうしたモザイク処理が施される理由は、主に以下の3つに大別されます。
- 国家安全保障と軍事機密:世界各国の軍事基地、防衛レーダー施設、要人居住エリアなどは、テロ対策や防衛上の観点から政府の直接要請によって衛星写真に恒久的な低解像度化やぼかし処理が適用されます。
- 重要インフラ防護(原子力発電所など):フランスのカテノン原子力発電所やマルクール原子力地区など、重大事故や攻撃のリスクを伴う重要エネルギー施設は、詳細な配置図が外部に漏れないよう厳重に隠蔽されています。
- プライバシー保護と法規制:EUのGDPR(一般データ保護規則)や日本の個人情報保護関連ガイドラインに基づき、個人の住宅や自動車のナンバープレート、顔写真などは所有者からの申請によって即座にモザイク処理が行われます。一度モザイクを適用した住宅は、セキュリティ上元に戻すことができません。
東シベリア海に位置するロシア領のジャンネット島のように、過去に長期間にわたってGoogleマップ上で黒く塗りつぶされていた孤島も存在します。極秘軍事基地の存在が噂されましたが、実態は米露間の領有権をめぐる歴史的経緯や、旧式衛星データの欠損を埋めるアルゴリズムの仕様など、地政学と技術的要因が絡み合った結果であることが分かっています。