かつては元プロ野球選手や社会人野球の経験者がスカウトされて審判になるケースが大半でしたが、現在は毎年12月頃に開催される「NPBアンパイアスクール」を受講することがプロ審判への事実上唯一の登竜門となっています。
このアンパイアスクールは高校野球や大学野球の経験者、一般のアマチュア審判など全国から志望者が集まりますが、その合格率は極めて低く数%程度の超難関です。数十名から100名前後の受講生の中から、最終的にNPBと「育成審判員」として契約できるのは毎年わずか2名〜4名程度に過ぎません。
審判員としての採用条件は、野球規則の深い理解はもちろんのこと、150キロを超える剛速球を至近距離で見極める動体視力(両眼とも裸眼または矯正で視力良好であること)、真夏のデーゲームを連続で耐え抜く強靭な体力、そして瞬時の判断をブレずに下すメンタルの強さが徹底的に審査されます。
晴れて育成審判員として採用された場合でも、待遇は非常に質素です。育成期間中の報酬体系は月給15万〜20万円程度で、シーズンオフには支給が途切れる契約形態となる場合もあり、年収換算では200万円前後という極めて厳しい下積み時代を過ごすことになります。ここから2軍戦での経験を積み、NPB審判員としての本契約(年俸300万〜400万円スタート)を勝ち取れるのは一握りです。