東映ニューフェイスとしてデビューした当初の梅宮辰夫は、実は知的な二枚目役が多かった。しかし、彼の真価が爆発したのは、1968年から始まる「不良番長」シリーズである。カポネ団のリーダーとして、バイクを駆り、敵をなぎ倒し、女性たちを魅了する姿は、当時の若者たちのバイブルとなった。
スクリーンの中で彼が放っていたのは、単なる「悪さ」ではない。どこかユーモラスで、それでいて絶対に妥協しない強烈な自己主張だ。鋭い眼光と、鍛え上げられた褐色の肌。当時の映画館は、彼の放つ熱気で満ちていたという。この時代の彼が見せた野生味溢れる色気は、現在の邦画界では滅多に見られない唯一無二の個性を放っていた。