かつてはストリートカルチャーの専門用語だった「ディグる」ですが、近年はSNSの普及とサブスクリプションサービスの一般化に伴い、幅広いジャンルで日常的に用いられる若者言葉へと進化を遂げました。特に顕著な広がりを見せているのが、「古着」「サブスク音楽」「オタク・推し活」の3大領域です。
たとえばファッション分野における「古着をディグる」は、下北沢や高円寺のヴィンテージショップ、あるいはフリマアプリの膨大な出品物の中から、自分だけの一点物や希少なアーカイブピースを探し当てる行為を指します。また、ストリーミングサービス上でアルゴリズムのおすすめに頼らず、インディーズアーティストやマイナーなプレイリストを探索することは「音楽をディグる」と表現されます。
さらに近年、急速に定着したのがオタク界隈のスラングとしての用法です。アニメファンやアイドルファンが、推しの過去の出演動画、雑誌のバックナンバー、ブログの過去ログ、原作の膨大な裏設定などを徹底的に洗い出す行為を「ディグる」と呼びます。単なる鑑賞にとどまらず、対象を深く知り尽くすための能動的リサーチ全般が「ディグ」として認知されているのです。