原作者の大久保篤氏は、なぜカミを最後まで本編に登場させなかったのだろうか。物語の構成上、彼女が登場しないことでマカの「自立」がより際立つという効果があったことは間違いない。
もし母親が窮地に駆けつけるような展開があれば、マカは「守られる子供」に戻ってしまっただろう。過酷な戦いの中で、マカが自らの力で立ち上がり、ソウルと共に歩むためには、母親は「追いつくべき背中」であり、「遠くで見守る概念」でなければならなかったのだ。この徹底したキャラクター配置が、作品のビターでスタイリッシュな世界観を支えている。