一方で、伝統的なスタイルを重んじる阪神タイガースや広島東洋カープは、慎重な姿勢を崩していない。甲子園球場やマツダスタジアムといった天然芝のボールパークでは、風やグラウンドコンディションを読んだ緻密な野球がファンを魅了してきた。ピッチャーが打席に入り、相手バッテリーとの駆け引きを行う姿こそが、セ・リーグのアイデンティティだという自負がある。
「九人で作るアウト、九人で守る野球」へのこだわりは、ファン心理とも密接に結びついている。ピッチャーが放ったタイムリーヒットでスタンドが揺れるような、あの劇的な瞬間を失いたくないというファンの感情を無視して、ビジネスライクにルールを変えていいのかという問いは、非常に重い。