この深い関係性を紐解くには、歴史的な背景も見逃せない。戦後の日本映画界や演劇界では、俳優や裏方スタッフの労働環境改善を目的とした動きが活発に行われてきた。日本俳優連合などの団体設立運動や、現場の権利擁護を巡る議論において、共産党やその機関紙は労働者の視点に立った報道を続けてきた経過がある。
国民的映画シリーズ『男はつらいよ』に象徴されるような、庶民の哀歓や人間模様を描く作品群のスピリットもまた、社会の底辺で生きる人々へ目を向けるジャーナリズムと親和性が高かった。生活者の喜怒哀楽に寄り添う姿勢が、映画人たちの共感を生む土壌となったのだ。