不参加を表明することが、職場での評価や人間関係に悪影響を及ぼすのではないかという恐怖。これが社員旅行をめぐる最大の心理的プレッシャーだ。「自由参加」と表向きは銘打ちながらも、裏では全員の参加が暗黙の了解となっているケースが後を絶たない。
労働環境に詳しい組織心理学者は、こうした状況を「見えざる強制力」と表現する。「表立ってペナルティが科されなくても、参加しないことで『協調性がない』『会社へのエンゲージメントが低い』とレッテルを貼られる懸念がある。真の意味で心理的安全性が担保されていない組織ほど、同調圧力が強まり、社員は苦渋の決断を迫られることになる」。