「カラスを英語で言うと『crow』だけだと思っていませんか?」という疑問に対し、英語圏のネイティブスピーカーは「半分正解で、半分は言葉足らず」と答えます。生物学上、どちらもスズメ目カラス科カラス属(Corvus)に属する極めて近縁な鳥ですが、英語では体格・生態・生息環境によって単語そのものが厳格に分けられているためです。
一般的に、街中で見かける中型から小型のカラスはcrow(複数形:crows)と呼ばれます。一方、タカやトビに匹敵する圧倒的な巨体を持ち、主に高山地帯や寒冷地に生息する大型のワタリガラスはraven(複数形:ravens)と呼ばれます。英米の野鳥図鑑や生物学の公式分類でも、これらは別種の鳥として明確に線引きされています。
日本国内で見られる代表的なカラスの種類と、英語圏における一般的な呼称の違いを整理した比較データは以下の通りです。
日本国内の市街地で見かけるカラスは、その大半がハシブトガラス(Jungle Crow)かハシボソガラス(Carrion Crow)です。したがって、私たちが日常的に「ゴミを荒らすカラス」や「公園の木にとまっているカラス」を英語で描写する場合、crowを使うのが自然です。北海道などに冬鳥として飛来するワタリガラス(Common Raven)を目撃した場合にのみ、ravenと呼ぶのが正確な使い分けとなります。