この現象はもはや京都だけの問題ではない。金沢の茶屋街、北海道・ニセコの高級寿司店、さらには東京・赤坂の看板のないバーなど、日本各地の観光地や繁華街で同様のシステムが採用され始めている。背景にあるのは、地方における深刻な人手不足と、押し寄せるインバウンドのアンバランスだ。
限られたスタッフで質の高いサービスを提供するためには、客層をコントロールせざるを得ない。結果として、地方の隠れた名店までもが「一見さんお断り」の看板を掲げ始めている。これは、日本の地方都市が持つ温かい「おもてなし」のイメージと矛盾する動きであり、観光立国を目指す日本政府にとっても頭の痛い課題となっている。